ジョン・アンダーソン(John Robert Anderson, 1947年バンクーバー生 - )はカナダ出身、アメリカで活躍している認知心理学者、認知科学者。エール大学、ミシガン大学の後、1978年にアンダーソンはカーネギーメロン大学に移り、それ以来そこで研究を続けている現同大の心理学、計算機科学科教授。1988-89年時には認知科学会の会長も務めた。宣言知識と手続知識を統合し、言語・記憶・学習といった高次認知をシミュレーションにて検討可能なACT理論を提唱、発展させていることで有名。2004年にはデイビッド・ラメルハート賞を受賞している。[1]
ACT開発[]
1976年にアンダーソンは「言語・記憶・思考」(原題:Language, Memory, and Thought)を著し、ここで始めてACT(アクト:英:Adaptive Control of Thought)理論という認知モデルは紹介された。アンダーソンは、スタンフォード大学院時代にすでに宣言記憶を意味ネットワーク構造としてモデル化している。[2]
カーネギーメロン大学に移動後まもなくして、アンダーソンは「認知心理学概論」(原題:Cognitive Psychology)を著す。続く1983年には「認知の構造」(原題:The Architecture o Cognition)を著し、この本では期を熟したACT理論が紹介されており、氏の参考文献としては最も参照されている代表作である。また80年代半ばより徐々に認知発達、とりわけ言語獲得に関心を示すようになるとともに、数学教育について認知心理学的知見を応用していく試みも行っている。
さらに近年では、ACT理論に前シンボル段階[3]の処理を取り入れることで解決に至った諸問題に対して、数理構造上の解析研究[4]に取り組んだ。これはACT-R理論の開発と発展に繋がり、「ルールと精神」(原題:Rules of the Mind, 1993)に詳細が初掲載されている。
脚注[]
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受賞履歴
1978年: American Psychological Association's Early Career Award
1989-94年: Research Scientist Award, NIMH
1994年: American Psychological Association's Distinguished Scientific Career Award
1999年: Member of the National Academy of Sciences
1999年: Fellow of American Academy of Arts and Sciences
2004年: The David E. Rumelhart Prize for Contributions to the Formal Analysis of Human Cognition
2005年: Howard Crosby Warren Medal for outstanding achievement in Experimental Psychology in the United States and Canada, Society of Experimental Psychology
2006年: Inaugural Dr. A.H. Heineken Prize for Cognitive Science awarded by the Royal Netherlands Academy of Arts and Sciences
- ↑ 宣言記憶はアンダーソンが師事したゴードン・バウワーとの共著「人間の連合記憶」(原題:Human Associative Memory, 1973)という書籍内で提唱したHAM(Human Associative Memory)モデルとして紹介されている。
- ↑ 英:subsymbol
- ↑ 英:statistical structures of problems
参考文献[]
- Tadeusz Zawidzki, Anderson, John R, Dictionary of Philosophy of Mind
- ジョン・アンダーソンのホームページより自伝
外部リンク[]
関連記事[]
- 認知アーキテクチャ
- ACT
- ACT-R
- Soar
- LISP